さそり座9位

麟太郎が寝坊でちょっとだけ遅刻して始まるいつも通りの朝だった。最後の最後まで2人でネタのセリフを悩んで学校で何回か合わせてから方南会館に向かった。方南会館に向かう途中2人で出順何番だと思う?みたいな会話をした。トップじゃなきゃ何でも良いとか、良い香盤じゃなきゃ帰るぞって笑ったりとかバカなことを言っていた。そして会場についてまず真っ先に香盤を見た。正直ゾッとした。Aブロックのトップ。1年のNOROSHIから3大会連続のトップバッター、なんでこんなにも僕らは運が無いんだろう。こんなくだらない事考えてもしょうがないのに控室に戻った瞬間この3大会連続でトップバッターになる確率を計算してしまった。1/686。%に直せば約0.15%こんなほとんどありえない確率を引いてしまう僕らは逆にすごいのではと思ってしまう。僕がマジかよと嘆いていると麟太郎が気にしてもしょうがないと言ってくれたから切り替えてネタに集中できた。ありがたかった。

集合時間になりみんなであの廊下に向かった。スタッフさんからエントリーシールを貰った瞬間にものすごく緊張してきた。僕はいつもそれまで少しは緊張しているけれど、あのシールを貰ってからが1番緊張する。いつもネタする時にはこんなシール貼らないからかな。MCが終わって、馬場さんのネタ前の暗転中の礼を見て涙が出そうになった。感情がこみ上げすぎて自分の1番最初のセリフが10秒くらい飛んでた。危なかったぁ。そして僕らの番。漫才してて2人とも調子悪くなかったし本当に楽しかったけど、自分でネタをやっていて「上がるようなウケ方ではないな」って思ってしまった。それに加えてチームは不利とされるトップバッター。正直結果は心のどこかで分かりきっていたけど、4年生と組めるのはこれが最後だって思うとネタが終わっても諦め切れなかった。結果は変わるはずないのに本当に失礼なことだけど他のブロックは強いチームいっぱいいてキツいとか、あっちのブロックはこのチーム1強だとか待ってる時間ずっとそんなことばかり考えてしまっていた。

そして結果が出てエンディングが終わったあとずっと下を向いて歩いて代田橋駅まで歩いていた。落ち込んで1人で歩いてる僕に纉山が労いの言葉をくれた。ありがとう。なにか喋っちゃうと本当に涙が出そうだったから、最初ジェスチャーでしか返事が出来なかった。ごめん。駅に着いて馬場さんに禅マルとやれてよかったって言ってもらえたの本当に嬉しかった。こちらこそ本当にありがとうございました。チーム故郷、おめでとうございます🎉

僕らも悔しいけど今年1番のネタをしっかりやり切れて本当によかった。よく考えたら、いやよく考えなくてもあと少しで大学生活半分終わっちゃう。悔いの無いようにしなきゃ。また良いネタ作りたい。大学生になってもこんなに悔しいと思えることに出会えて良かった。

 

 

 

 

 

残りの9日のチーム裏垢男子。頑張るぞ!